「騎座(きざ)の作り方や範囲は?」と聞かれると、なんとなくこんな感じかなというイメージはあると思いますが、正直自信がないという方もいらっしゃると思います。
私も正直、最初はそうでしたがいろいろな本や講義で得た中で、自分なりに納得した部分や一番しっくりきた経験をつなぎ合わせて、『騎座の作り方や範囲』について解説していきます。
馬もいろいろな性格の馬がいたり大きさが違う馬もいる様に、人も体格・感覚や考えに違いがあります。
その中で比較的、多くの方に届きやすい・理解しやすいコンテンツにしていますので上達や知識の手助けになると思います。
まず騎座扶助の効果について知りたい方や復習したい方は↓の記事を読んでから続きを読んでいただくとより理解しやすいと思います!
参考記事
騎座(きざ)の作り方と騎座の範囲とは ~上達志向の方必読~
①騎座の作り方
1.正しい姿勢(基本姿勢)
骨盤を立てて真っすぐ鞍に対して垂直に座ります。(写真の四角が骨盤の状態としています。 )
脚部は馬の重心に沿うように位置します。(鐙に足を乗せていない時にニュートラルにある鐙の位置で鐙を履く。)
この姿勢にすることで、体全体に芯が通り、柔軟性を騎手が持つ事ができます。
2.誤った姿勢(女性に多い乗り方)
女性に多い乗り方で、骨盤を立てる意識が強すぎると上体は前に傾き、脚部が後ろに流れてしまいます。脚部が後ろに流れることで、馬の重心に乗れないことに加えて馬のひばら(お腹の後方)付近を刺激してしまい、馬が過敏に反応してしまい勝手にスピード上げたような問題も発生します。
また、腰部も反り、上半身が固くなるので反動を吸収しにくくなります。
3.誤った姿勢(男性に多い乗り方)
男性に多い乗り方で、骨盤を寝かせてしまい、お腹がへこみ体全体の芯がなくなってしまいます。
また、脚部が前に流れてしまうことで馬の動きに遅れたり、騎手の重心が後ろに行き過ぎて馬が前に進みにくくなります。
2.の誤った乗り方になりやすく馬が速くなりやすいと感じたら、あえてこの3.の乗り方をイメージすることで、正しい姿勢に収束しコントロールする感覚がつかみやすくなると思います。また、逆もしかりです。
騎座の作り方の結論はシンプルに『1.正しい姿勢(基本姿勢)』を目指しましょうという事です!!
※この記事のアイキャッチ画像の黒い馬に騎乗している方が素敵なお手本です。
②騎座の範囲
みなさんご存知の方もいらっしゃると思いますが、騎座の定義とは簡潔に言うと『鞍に接している座骨を含む臀部』です。
しかし、より良い騎座の安定を求めるためには、『ウェスト部分からふくらはぎ上部まで』(上の写真の黄色い四角の部分)と定義すると良いと思います。
この意識により、私は本来の騎座が安定すると考えています。
※馬術書などの正しい定義は『鞍に接している座骨を含む臀部』です。
1.騎座は点ではなく面で捉える
騎座を安定させて、馬の動きに影響されずに反動を吸収するには、上の写真の⇒の方向に膝を開いてしますと、〇印の座骨と踵の2点で馬の背中や体を押さえつけて、耐える構えで騎乗することになってしまい不可能になってしまいます。
騎手の上体も騎座部も下半身の安定が不可欠であり、下半身の脚部を安定させるために脚部を面として馬体に接することで、接地面を広げて安定させます。(②騎座の範囲の写真参照)
2.脚部は進行方向へまっすぐにし、やや内股気味が現代乗馬のトレンド
騎座全体を面にするためには、骨盤・膝・つま先の3点を真っすぐ進行方向に向けます。
そうすることで、自然と騎手の脚部の内側が馬に密着でき、安定を手に入れられます。
これは、鐙の長さが長くても、競馬のジョッキーの様に短くても同じです。
ひと昔前は膝は締めるというレッスン手法が多かったですが、今ではどちらかというと膝を離さないようにする(内股気味)のが主流です。
3.下半身は力を入れ、上半身はリラックスします
「もっと力を抜いて、リラックス!」と指導者に良く言われると思いますが、体全体の力を抜いたらグニャグニャになり、馬の動きに騎手が影響を受けてしまいます。
そのため、一時的にでも太ももを締め付ける様に自分の体全体を支えるようにします。
馬の反動を自然と吸収できるようになってきたら、徐々に締め付けていた力を抜いていきます。
4. 丹田に意識を集める(おへその下)
人間には、へその下5㎝、体内に向かって5㎝のところに丹田(たんでん)とよばれる部位があります。
腰を張って力を入れて背筋を硬くするより、丹田を上に持ち上げる様に力を入れる(体の前面部に少し力を入れる)ことによって、上半身を真っすぐに保ちます。
胸を張る・肩を開く・背筋を張る・腰を張るを部分的1つずつ意識するよりも、丹田を意識することにより、上半身が力みにくく、真っすぐになります。
今回は騎座の作り方と範囲についてご紹介していきました!
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