乗馬・馬術のオリンピック競技はおもに馬場馬術・障害馬術・総合馬術の3種目が存在します。
それら以外馬術競技にも、ウエスタン競技・馬車競技・トロットレースなどがあります。
今回ご紹介したいのは、馬術のW杯「世界選手権馬術大会」や全日本馬術大会の1つにもなっている『エンデュランス馬術』についてです。
簡単にいうと馬のマラソンですが、他の馬術競技に比べて特別な乗馬スキルを必要としないため、多くの方々にチャレンジしていただける注目の競技です。
大切なのは馬とのコミュニケーションや健康状態を見てあげることです。
世界的に競技人口の増えている種目ですが、現在日本でもライダーやファンの増えている種目であるため、馬術では次のオリンピック種目に一番近い種目といっても過言ではありません。
馬術競技ではまだ歴史の浅い『エンデュランス馬術』について、これから競技人気が高騰する前に、ぜひ知っていただきたいと思います!!
乗馬の新時代競技、エンデュランス馬術競技とは? ~オリンピック種目ではないが馬術のW杯世界選手権種目~
①エンデュランス馬術競技とは
冒頭にも申し上げましたが、エンデュランスは「馬のマラソン」ともいわれる競技で、最高レベルの競技では160㎞にも及ぶ長距離を走ります。(一番やさしいクラスは20㎞のトレーニングライドもあります。)
みなさんご存知のとおり、車が普及するまでは馬が長距離移動の手段でした。
それが発展し競技となったのは1950年代で、1982年にFEI(国際際馬術連盟)が馬術競技として認定し、その後急速に競技人口や大会数が増加しており、日本では2000年から全日本大会を実施しています。
この競技で大切なのは「人馬ともに元気で健康に走りぬくこと」で、早くゴールして順位を上げることよりも、良いコンディションで完走することを重要としています。
コースはレグまたはフェイズとよばれる何個かの区間に分けられ、各レグのゴール後には獣医師による検査(ベットチェック or インスペクション)を必ず受けます。
ここでは、馬の心拍数・代謝異常・歩様などをチェックし、問題なく競技継続可能な馬は必ず規定時間の休息をとってから、次のレグへ駒を進めます。
もちろん、ここでコンディションが悪いと判断された場合は、その時点で失権(競技続行不可)となってしまいます。
また、実際に競技に参加する馬とライダーだけでなく、『クルー』とよばれるサポートスタッフの存在が勝利の重要なカギを握っているのも、この競技のユニークなところです。
各レグの間の休息時間はもちろんのこと、コース上に設けられたクルーポイントでは先回りをしてライダーと馬を迎え、水をあげたり、身体を冷やすケアを行います。
凄腕クルーになると、獣医チェックやレグ間の休憩時の馬のケアをクルーだけでスムーズに行えるので、ライダーの体力回復の手助けにもなります。
エンデュランス競技では、通常の表彰に加えて『ベストコンディション賞』の表彰があります。
これはコースを完走した馬の中から最もコンディションの良い1頭を選んで表彰するもので、ライダーやクルーにとって最高に名誉のある賞となります。(着順1位よりも大切な賞といっても過言ではありません。)
②競技の流れ
〖60㎞競技の例〗
1.競技スタート
2.15㎞地点で給水タイム(馬は軽く草も食べさせます)
3.30㎞地点1レグ目ゴール
4.馬装をすぐ外して馬体を水で冷やします。(冬はお湯が良いです)
5.獣医チェック(パスしたら2レグ目へ)
6.2レグ目(後半30㎞)スタート
7.途中で給水タイム
8.60㎞ゴール
9.最後の獣医チェック(パスしたら完走です)
10.無事完走です。表彰式では完走証と入賞人馬にはリボンと盾などが贈られます。
③主な競技・大会
【日本】
・全日本エンデュランス馬術大会 ※2019年は9月21日~23日北海道鹿追町で開催
距離は選手権大会は120㎞、その他に80㎞・60㎞があり2019年より40㎞競技も追加になり出場枠が増えました。ちなみに私は2017年60㎞競技で3位に入らせていただきました。2016年の始めて60㎞が追加されたときは完走しましたが、獣医チェックがパスできず失権となってしまいました。
・伊豆パノラマライド
伊豆ホース・カントリー(アラビアンホースランチ)で毎月行われる大会で、全日本出場権のみならず、世界選手権の権利もとれる日本で行われている大事な大会で。
【海外】
・FEI世界馬術選手権大会 エンデュランス馬術競技
4年に一度行われる馬術のワールドカップです。(夏季オリンピックの中間年)
競技種目もたくさんあり、オリンピック種目にもなっている馬場馬術・障害馬術・総合馬術の3種目以外に、エンデュランス馬術・レイ二ング(ウエスタン)・馬車競技・パラ馬術競技・軽乗競技などが行われています。
エンデュランスは160㎞の非常に長いコースを走破しなければならない、過酷なレースとなっています。
・アジア馬術競技大会 エンデュランス馬術競技
アジア大会は馬場・障害・総合のオリンピック3種目に加えて、2006年からエンデュランス競技が採用になり計4種目となりました。
エンデュランス競技の世界的需要は伸びているので、これから期待の種目となります。
・テヴィスカップ
世界で一番有名な大会ともいわれている『テヴィスカップ』です。
距離も160km完走が非常に難しいとされている大会ですが、宝島社の代表取締役である蓮見精一氏は2003年~2011年にかけて8回連続完走の実績があります。※2008年は開催中止
・ドバイエンデュランス
砂漠を約120㎞走る世界を代表する大会です。
中東湾岸諸国でエンデュランスは盛んに行われており、ドバイの首長や皇子も積極的に参加されています。ハムダン皇子は2015年にクウェートの100㎞競技で3時間49分5秒の圧巻のタイムで優勝しています。
今回は馬術競技の新時代競技『エンデュランス馬術競技』について紹介させていただきました。
私も馬場・障害・総合・エンデュランスと競技にも出場させていただきましたが、エンデュランスは一番参加できる対象者の多い気軽な競技だと思います。(距離が伸びると体力的には一番過酷ですが。)
全日本エンデュランス馬術大会でも、40㎞競技も公認になりました。
40㎞ならエンデュランス競技でいうと20㎞次いでの2番目の難易度なので全日本出場を一番狙いやすい種目です。
40㎞競技の参加条件は3級馬場ライセンスを取得しており、なおかつ20㎞を一度完走し筆記試験をパスしていればエンデュランス3級が取得できるので、40㎞に出場できます。
この40㎞の完走と筆記試験のパスができればエンデュランスB級が取れますので、全日本エンデュランス40kmに最速で出場可能な方法となります。
エンデュランスを体験できる場所は各地にありますし、やってみたいけど不安であれば外乗からやってみて心と身体を慣れさせるところか始めてみてはいかがでしょうか?
ジュニア教育から仕事を引退した方のチャレンジの場として、幅広く楽しめるスポーツが馬術でありエンデュランスだと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
wagi
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