「高齢馬はどんな飼料（エサ）をあげたら良いでしょうか？」という質問をいただきました！│馬uma サポート

馬は草食動物なので、もちろん自然の草を主食として食べるべきです。
しかし、高齢になってくると人間と同様で顎の力や歯の力が弱まり固い草は食べにくくなっていきます。
私も馬関係の仕事をしていたので、知人に馬を持っている方もいらっしゃり、
「高齢馬で乾草をあまり食べてくれないのですが・・・どんな飼料をあげるべきですか？」
という質問をいただきました。
今まで出会った馬の中でも、そういった悩みを抱える馬や、飼料の問題を抱える馬をよく見て来たので私の経験の中でその答えをこのコンテンツでは紹介させていただきます。

・馬の飼料（エサ）はどんなものがあるの？
・高齢馬にはどんな飼料（エサ）をあげたらいいの？
・馬も無農薬野菜が健康を保つ

サラブさん

私も競走馬時代は栄養価の高い濃厚飼料を良く食べたものだ！
ニンジンは今でも好きだが、まれに食べないやつもいるみたいだぞ。

わぎ

馬も濃厚飼料ばかり食べているとかかる病気もあるんです！
人間も高校生のときのようにしっかり運動しているときは高カロリーでいいけど、
年を重ねてその食生活はしていたら生活習慣病になりますよね！
馬も蹄葉炎というそれに近い蹄の病気があり、特に運動があまりできない馬は
注意が必要なんですよ！

1 ①馬の飼料（エサ）とは
2 ②高齢馬はどんな飼料（エサ）をあげたらいいの？
3 ③馬もできるだけ自然のものがベスト

①馬の飼料（エサ）とは

まずは、「そもそも、馬ってどんなものを食べるの？」っていうところからご紹介していきます！
乗馬クラブの馬で基本的な主食はペレット・ヘイキューブ・乾草・フスマなどが多いです。
競技中のみ、その他エンバクなど栄養価の高い飼料をあげたりします。
特に牧草類を『粗飼料』、穀類や配合飼料などを『濃厚飼料』といいます。
では、どんな食べ物があるか見ていきましょう！！

青草

生の草や牧草のことを指します。
乾草や他の飼料で栄養は補えますが、地面から直接食べるのが馬の本来の食べ方なので、放牧をして自由に食べさせてあげることもとても大切です。
ちなみに、毒のある草は馬は自分で避けるのですが、農薬などの薬が撒いてあるところは人間が気をつけて食べさせないようにしてください！

乾草（チモシー・アルファルファなど）

牧草を乾かして乾燥させたものを乾草といいます。
意外かもしれませんが生の草よりも栄養分が高く、タンパク質・ミネラル・ビタミンが含まれています。
種類は主としてイネ科のチモシー・イタリアンライグラスやマメ科のアルファルファ・クローバーなどが売られています！

ヘイキューブ（アルファルファなど）

飼った青草を乾燥させ、キューブ状に圧縮したものです。
あげすぎは蹄葉炎の原因になるので注意が必要です！
栄養価はとても高く、運動量の多い練習馬（乗馬練習用の馬）や競技馬に適しています。

エンバク（オーツ）

良く馬にあげている穀類です。
栄養価が高いうえに、他の穀類よりも繊維質が高く、馬も比較的喜んで食べます！

オオムギ

エネルギー、繊維含量がトウモロコシとエンバクの中間にあたる穀物。
あげすぎ注意です。

トウモロコシ

動物のエサでは一般的で比較的入手しやすいです。
繊維含量は低く、与えすぎは疝痛や蹄葉炎などの病気リスクが高まります。

配合飼料（ペレット）

競走馬や乗用馬、繁殖牝馬用などいろいろな種類があり、よく使われています。
とても栄養価が高く、食べ過ぎ注意です。

フスマ

エネルギー含量は低いですが、良質なタンパク質を含み繊維含量も多い。
馬の濃厚飼料として良く使われています。

ミネラル塩

馬にも必要なミネラルや塩分を補給するために馬房のエサ箱に入れられています。
夏バテ防止に夏は欠かせないものです。
粉の塩をエサに混ぜることもあります。

野菜・果物

主にニンジンやリンゴを小さくカットしてあげるのが好ましいです。
大きいままあげるとノドに詰まることがありますので、切ったり割ったりしてイイ感じのサイズのものをあげてください！

参考記事

☆お馬さん大好きな食べ物ランキング☆　幸せな馬を増やすための方法

②高齢馬はどんな飼料（エサ）をあげたらいいの？

まずは、馬がどんなものを食べているかについて解説させていただきました。
馬も高齢になってきますと、固いものや噛み切りにくいものはあまり好まない傾向となります。
では、どんなものをあげた方が良いのかを私の経験より解説していきます！

健康的な高齢馬

乾草・青草
ペレット
フスマ

顎が弱くなっていなければ、ぜんぜん問題ないのでほぼ通常通りで良いです。
ヘイキューブも問題ないですが、食べやすさやカロリーのことを考慮すると上記3つの方がオススメです！
エンバク・オオムギの様な穀類はガンガン競技でたり、運動量の多い馬に上げるのが好ましいです。
野菜や果物は常識の範囲内であげても全く問題はありません。（あげる野菜や果物の良い選定法に関しては、上記の参考記事をご覧ください。）

顎・歯が弱い馬

フスマ（粉なので噛み切る必要がありません）
ダボ（ペレットやフスマ・ヘイキューブをお湯や水につけてふやかしたもの）
乾草・青草（食べれるなら少量でも可）

フスマは繊維が豊富で、疝痛予防にも効果的！
しかも、粒なので顎の力も必要ありません。
2つめのダボは馬のおかゆみたいなもで、こちらも消化に良く疝痛予防に効果的です。
可能であれば、たまに青草をあげるのはとてもいいですね！
放牧に出して自然の草をあげましょう♪

③馬もできるだけ自然のものがベスト

クラブでも馬におやつで果物や野菜をあげたいと思うかとおもいます。
人間もオーガニックや無農薬などの安全度の高い野菜を食べた方が良い様に、馬にもオススメです。

野菜でもよく耳にするオーガニックとありますが、どんなものでしょうか？

・化学的に合成された肥料および農薬の使用を避ける。
・遺伝子組み換え技術を使用しない。
・播種または植え付け前の2年以上の間、有機肥料での土づくりを行った田畑。

オーガニックの定義は上記のとおりですが、英語では『有機の』という意味です。
有機とは生物だけが作れる「炭素」を含むものとして使われる言葉です。
たい肥に糞を使ったりするのも生物が作り出す自然のものを使っているので、合成された肥料そして合成された農薬も使わないという表記があります。
上記3つをクリアした野菜は晴れて『オーガニック野菜』に認定されます。

ですが、ここで落とし穴があります！
オーガニック野菜なら「化学的に合成された肥料および農薬の使用を避ける。」とあるので、無農薬と感じる思いますが天然原料の農薬は使用が認められていますので、『オーガニック＝無農薬』は誤りという事です！

ですから、オーガニックでも無農薬という表記があるものを選ばなくてはなりません。
とはいえ、近くのスーパーで無農薬の取り扱いがない・・・、探すのも困難かもという方はネットで探すのが確実です！
自分が食べる野菜はスーパーの特売で、馬にあげる野菜は無農薬とか高級な野菜をあげられる強者もおられました！
ぜひ、ご自分の分も無農薬をオススメします☆

まとめ

①馬の飼料（エサ）とは
⇒

青草
乾草
ヘイキューブ
エンバク
オオムギ
トウモロコシ
ペレット
ミネラル塩
野菜・果物

②高齢馬はどんな飼料（エサ）をあげたらいいの？
⇒

健康的な高齢馬

乾草・青草
ペレット
フスマ

顎・歯が弱い馬

フスマ（粉なので噛み切る必要がありません）
ダボ（ペレットやフスマ・ヘイキューブをお湯や水につけてふやかしたもの）
乾草・青草（食べれるなら少量でも可）

③馬もできるだけ自然のものがベスト
⇒

上記3つをクリアした野菜は晴れて『オーガニック野菜』に認定されます。

しかし！天然原料の農薬は使用が認められていますので、『オーガニック＝無農薬』は厳密には誤り！

オーガニックでも無農薬という表記があるものを♪

※遺伝子組み換えも農薬も害が少ないまたはないもございます。

今回のコンテンツではお問い合わせのありました件についてお答えさせていただきました！
ご質問者の方、メッセージいただきましてありがとうございました♪
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技術的なことでもお問い合わせいただきましたので、もちろん匿名で質問回答の部分だけ今後記事にさせていただきます。
全員で切磋琢磨して馬の魅力をまき散らしていけたらと思います！

最後まで読んでいただきありがとうございました！！

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