馬に伝わりやすい脚(きゃく)の使い方 ~乗馬での脚による扶助が与えるメリット・デメリットとは~

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脚(きゃく)を使うと聞くと、みなさんは何をイメージしますでしょうか?

乗馬の経験がある方は、『ふくらはぎの圧迫』や『踵で馬のお腹をさわる』、『お腹を踵で軽打する』ことをイメージすると思います。

しかし、馬上で急に「脚を使ってください。」と言われたときにどの使い方を行ったら良いかと、疑問に思う場面があったかと思います。

実際に私も始めたばかりのことは、そんな疑問で一杯でした。

しかも、回りにはちょっと聞きにくいし、どんな言葉を使って聞こうとかいろいろ考えてしまって、けっきょくわからないまま通りすぎてる内容もたくさんありました。

以前の私のように聞きにくい方のために、また、知ってるけど再確認したい方やそもそも脚って何?という方のために『馬サポ』は存在します!

特に今回は脚の悩みを解決するための、お役立ちコンテンツになっていますので、少々お付き合いいただけたらと思います!

 

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①脚 (きゃく)とは

とは騎手の膝よりも下のふくらはぎや足を指します。

脚を使うというのはこれらの体の部位を使って馬に指示を送ることを言います。

大切なのは、使ったか使ってないかの人の意識や感覚よりも、使ったときに馬が反応して動きに変化が出たかが大切です。

まずは、脚の使い方と種類について説明します。

 

②脚の使い方の種類と強さ

脚の使い方の種類

  1. ふくらはぎで圧迫(弱~強)
  2. 靴(踵など)で馬のお腹を触る
  3. 靴で馬のお腹を下から上に押し上げる様に使う(足の裏を返す様に使う)
  4. 踵でお腹を軽打する

脚の使い方の種類は大きく分けるとこの4種類です。

強さは1が一番弱い合図で、4が一番強い合図となります。

もっと細かく分けると1~4すべての合図において、つま先を外側に向けると強い要求にシフトできます。(拍車がついていれば、拍車を使えます。)

また、踵の下げすぎも脚が効きにくくなります。(ブレーキするときに踵を下げると思いますが、同じ理由です。)

1ふくらはぎの圧迫での合図は弱く圧迫するところから始め、反応がなかったら徐々に圧迫する強さを強めます。ここで、馬がスピードを変えてくれたり、明らかに軽快に歩いて反応が得られたら2以上の合図は使わずに、徐々に使う脚の強さを弱いものに下げて、出来るだけ弱い合図で行えるようにしてください。(もちろん反応がなければ強いものに移行してください。)

脚も強くすればするほど、薬と同じように効き目が悪くなり、もっと強い要求をしなければなりません。ずっと強い合図を行うのは使う騎手も使われる馬もデメメリットしかありません。

伝わりやすい脚というのは脚の使い方(手法)だけではなく、強さをより細かに調整することで無駄に強く使わないという事です。

どうしても脚が伝わらないと思うと使い方(手法)が悪いと思いがちです。

しかし、使う瞬間に問題が発生しているのではなく、それまでの騎乗している時間での脚の強さ調節に問題が発生しているのです。

でも皆さんは先が明るいです。

脚を今より強く使うのはまぁまぁしんどいですが、これまでの話を聞くと脚を弱くしていけば良いわけですから、こっちならまだ簡単です。

実際に馬がレッスンの前半は動いていたのに、だんだん動きが悪くなってきたなんてことがあったと思います。

最初は動いていたのに、騎乗者の脚が弱くて使えていないなんてことがあるでしょうか?

実践で感じてみましょう!

次は副扶助について紹介します。

 

③脚の効果を強める副扶助

ここでは、副扶助と呼ばれる主扶助(脚、座骨、拳)が伝わりにくい時に使う扶助を解説します。

先ほどは脚扶助を徐々に弱く使える様にしていきましょうという話でしたが、「その過程が上手くいかなくてどうにもこうにも反応が得られなくなってしまった。または得られなくなりそうと感じたとき。」とか「乗った時から反応が得られない。」などそういった場合もあります。

それを解決してくれるものが、副扶助と呼ばれるものです。

副扶助の種類

  1. 鞭(短鞭、長鞭)『むち』
  2. 拍車『はくしゃ』
  3. 舌鼓『ぜっこ』

これらが副扶助ではメインになります。

膠着(こうちゃく。反応がない。)状態や逆にテンションが上がりすぎの時に効果を働かせるものもあります。

細かい説明に関してはまた他の記事で紹介したいと思います。

 

参考記事

乗馬初心者歓迎!舌鼓(ゼッコ)の分かりやすいやり方 ~秘訣は書くこと~

 

④脚が与える馬へのメリット・デメリット

【メリット 】

  1. 前進気勢(前に行こうとすること)を高め、ハミを前方に引っ張って手綱が張りやすくなる。
  2.  馬の後肢が活発になりはじめ、お腹の真下に後肢が着地できるようになり、手綱を短くしたときに馬のバランスが起きやすくなる。(簡単に言うとブレーキが効きやすくなり、発進もしやすくなる。)
  3. テンションを高める事ができ、走ろうとする精神状態に誘う。

【デメリット】

  1. 脚の使いすぎは 馬の緊張を招き、リズムやペース乱す。
  2. ハミを引っ張る強さが強くなりすぎると、騎手のコントロールの外にいってしまう。
  3. テンションが上がりすぎて、騎手の指示を受け入れられなくなる。

以上がメリットとデメリットです。他にもあるとは思いますが、私が重要と思うものを3つずつ挙げました。特にデメリットの1番目がとても大事です。

他の記事でも聞いたよと思うと思いますが、それだけ重要視しないといけないポイントなので言っておきます。

そして、騎乗していると結構忘れてしまう部分なので、↓に参考記事を貼っておきますので何度も読んで体と脳に染み込ませてください。

 

参考記事

上手な騎手が馬に求める優先事項8選 ~馬術調教の8原則~ こちらをクリック👆

 

今回は、馬に伝わりやすい脚の使い方について解説させていただきました。

☆最後にポイント☆

  1. 脚で大切なのことは、使ったか使ってないかの人の意識や感覚よりも、使ったときに馬が反応して動きに変化が出たかということ。
  2. 伝わりやすい脚というのは脚の使い方(手法)だけではなく、強さをより細かに調整することで無駄に強く使わないということ。
  3. 脚の反応がどうしても得られないときは副扶助をつかうこと。
  4. 使いすぎにより、馬のペースやリズムを乱さないこと。

この4点にフォーカスしていただければ、継続した時間と共に必ず成果として表れてきます。

馬も楽に人も楽に乗馬ができる様になることで、継続しやすくなりますし、馬が人を信頼し人を乗せることが好きになっていくはずです。

乗馬は人の娯楽に思われがちですが、騎乗することで馬のストレッチ効果につながります。放牧だけで使えない筋肉を騎乗することでほぐし、より上質な体に創り上げていくことが乗馬の役割でもあります。

人も健康でありたいと思うように、馬も健康でありたいはずです。

乗馬をしている方々はそういった馬を健康にしてあげられるスキルを学んでいます。

自分の健康や家族の健康だけでなく、馬の健康を考えられる方々は心が豊かでないはずがありません。ぜひ、今後も良い方向に成長出来る様、サポートさせていただきますので、前だけを向いて馬と向き合っていただけたらと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました!!




 

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