馬のお部屋の秘密をこっそり教えます ~馬のお部屋は馬房・厩舎・馬小屋と呼び方がたくさん~

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馬のお部屋の中を見たことありますか?

乗馬をやっている方は良く見ていると思いますが、馬はけっこうキレイ好きです。

お掃除したてのお部屋はすぐゴロゴロ寝転がったり、おしっこやボロ(馬の糞)がお部屋に溜まってくると、ストレスを感じてしまいます。

乗馬クラブでも競馬の厩舎でも、厩務員さんが毎日お部屋の掃除をして馬のストレスがないように、また厩舎(馬房)内での危険物がないかなどを見ます。

体調の変化も馬房内を見れば分かります。

下痢気味・もしくは便秘なのか、いつもと違う場所にボロをしていたりするのも馬の習慣が変わっているので、何かしらの変化が体に起きているかもしれないだとか、馬房を見れば馬の健康が分かるくらい大切な場所なのです。

 

馬のお部屋の秘密をこっそり教えます ~馬のお部屋は馬房・厩舎・馬小屋と呼び方がたくさん~

①馬のお部屋とは

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馬のお部屋を馬房(ばぼう)・厩舎(きゅうしゃ)・馬小屋(うまごや)と呼びますが、基本的には馬房か厩舎が一般的な呼び方です。

イメージはホテルでゆうなら厩舎がホテルの建物馬房がホテルの部屋といった感じです。競馬の調教師さんは競走馬を預かって、この自分の持つ厩舎に馬を住ませてトレーニングを行っています。(〇〇厩舎所属という表現をします。〇〇は調教師さんの名前が入る。)

馬房の中には、オガ粉かワラなどが引かれています。コスト面も考え、多くはオガ粉を使いますが、湿ってオガ粉が蹄の裏に詰まり蹄がふやけやすいデメリットはありますが、おしっこやボロの水分を吸ってくれてお掃除しやすいメリットがあります。

ワラは蹄の裏に詰まらないので蹄が弱い馬は、ワラの方が一般的に良いという意見があります。

餌を入れる飼い桶水を入れる水桶がついていますが、水は鼻で押すと勝手に水が出るウォーターカップを使用しているところが多いです。

②悪癖 ~お部屋では癖が見られる~

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悪癖(あくへき)は馬房内で馬が行う、良くない癖を言います。

1.さく癖(別名グイッポ)

柱を前歯で噛みながら空気を飲み込み「グイッ」っというゲップみたいな音を出します。馬は気持ちいいみたいですが、お腹に空気がたまると疝痛(腹痛)になってしまい、命にかかわる様な重症になることもあります。さく癖防止バンド(通称グイバン)を首に巻き防ぐこともできますが、つけられない馬は柱にからしなどを塗って、やってはいけないことを教えることもあります。

2.ゆう癖(熊ゆすり)

体を左右に揺らし、暇つぶしをします。一見何ともないように思えますが、湿ってふやけた蹄になっていると左右に揺れた際に蹄鉄が(馬の靴)がずれて蹄が痛むなどのリスクが増えるのであまり良くはない事です。無理やりやめさせてストレスになるのであればほっておいた方が良いと思います。

3.前がき

何か欲しがっているときや、お腹が痛い・暑いなどの意思表示で前肢をお手をするようにカリカリ地面をかきます。

本当に何かを知らせるためなら良いですが、むやみにやらせるとこちらも蹄を痛めるので、あまりにも多い時はオガ粉の下にゴムマットを引いたりして対応します。(一般的にはオガ粉の下はコンクリートか土です)

③厩舎での代表的な病気

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主な病気では何があるかを紹介します。

下記の4つ以外にたくさんありますが、厩舎での病気の代表的なものを上げます。

1.疝痛(せんつう)

馬の腹痛です。症状は厩舎で横になって元気なさそうにお腹を見つめていたり、前がきを異常にやり続けたり寝っ転がったりします。早期発見が重要ですが、寝っ転がったりがひどいと腸捻転が起き致命傷になります。この時は、寝っ転がらないように元気よく曳馬で歩かせて腸の動きが戻るまで繰り返します。状況により注射で薬を打ったりし処置します。便秘や下痢が主な原因ですが、たまにストレスでなる馬もいます。

2.熱発

熱発(ねっぱつ)は字の通り熱がある状態です。普段は馬の体温は37~38℃くらいですが、39℃以上超えてくると熱があります(個体差はあります)ので、人間と同じで安静にしてください。

夏場『ふく・ふいている』と言いますが、馬の熱中症みたいな症状も体温が上がります。この時は、水で体を冷やしてあげてください。(特に股下や首の太い血管を冷やすと効果的です。)

3.蹄叉腐乱(ていさふらん)

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蹄の裏にある三角形のやつが蹄叉(ていさ)です。

湿った馬房での滞在時間が長かったり、湿気で蹄叉が腐る病気です。

痛くて歩けなくなることもありますので、かなり注意が必要な病気です。

蹄は馬の第2の心臓なので、適度な運動や裏堀という手入れを必ず行ってから、馬房に返してあげてください。

また、蹄が濡れたまま帰しても、この病気になるリスクが高まります。

蹄を良く乾かすことが大切です。

4.フレグモーネ

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写真は通常の馬の肢ですが、傷などからばい菌が入り馬の肢を大きく腫らせます。

フレグモーネは肢が腫れて、その患部からばい菌が体をまわり高熱を出します。

抗生物質の注射を打ち、腫れた患部には厩舎巻きと呼ばれる包帯みたいなものを巻き、腫れや熱が引けるまで治療します。

ただの肢のむくみは歩かせた方が良いですが、フレグモーネは歩かせてはいけません。

④健康を維持するには

馬は言葉をしゃべれませんので、十分に馬房を観察しいつもと違う習慣がないかを見ることが大切です。

少しの変化に早く気付けて対処できれば、馬も幸せに生活ができます。

特に重要なのは、馬体の手入れ運動です。

たくさん運動するとかわいそうと思うかもしれませんが、ずっと馬房にいる時間が長く③の病気になるのとでは、どちらが馬のためでしょうか?

もちろん過度な運動は良くないですが、蹄を乾かす作業やストレスを感じさせないことの重要性を理解いただけたかと思います。

また、運動後はしっかり手入れをしてあげて病気のリスクをなくしていくことが、私たち人間の役割だと思います。

ブラシは体だけでなく、肢もしっかりかけないと皮膚病のリスクもでてきますので肢までかけてあげてください!

ここまでの知識を持ち、意識をして馬に接することができれば非常にレベルの高いホースマンになれます。

1人でも多くの方がこの高い意識で馬を触れたら、ありえない速度で幸せな馬が増えていくので、これからがとてもワクワクしてきます♪

↓手入れ道具の記事も書いてるので、手入れの参考にしていただけてらと思います☆

www.wagian.work

『馬のお部屋の秘密をこっそり教えます』は以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございました!!

wagi

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